『走る』という動作は、人間が太古の昔から行ってきた基本的な動作です。獲物を捕まえる時、または危険から逃れる時に『走る』のは人間の本能であり、自然な行為だと言えます。
しかし、現社会に生きる私たちの多くは、この最も基本的との言える『走る』という動作を正しく行うことができなくなってしまっているのです。
その原因は、一説によると『現代のランニングシューズ』にあるという話を聞いたことがあります。
それがどういうことかというと...
『本来、人間が走る時は足の前中部から前方部で着地するのが、人間の身体の構造的に正しいとされています。しかし、靴底の踵部分に分厚いショック吸収パッドが取り付けられた『最新!?』のランニングシューズのために踵からの着地が可能となり、それにより多くの人は踵から着地するランニング方法で走る結果になってしまっている...』
っというような内容です。
これが本当かどうか、今すぐに皆さんに試してもらうことができます。
靴を履いている方は、それを脱いで裸足になってください。そして、まっすぐな姿勢で立って、縄跳びをする時のように『ピョンピョン』っとジャンプしてみてください。
簡単ですよね。
では、それと同じことを踵でしてみてください。衝撃が頭の先まで感じられると思います。
では、それを裸足でコンクリートやアスファルトの上で、しかも片足でやってみてください。
怖いですよね。それが『危険』な行為であること身体が知っているのです。
その行為を踵からの着地するランニング方法で走る時は、靴に保護されているとは言え、何百何千と繰り返し行うのです。それが怪我や障害の原因になることは、誰にでも想像が付くかと思います。
では、本来人間がすべき『ランニング方法』とはどのようなものなのでしょうか?
それが今回、紹介する人間にとって『自然で安全なランニング方法』です。
まず、最初に踵から着地するランニング方法の間違い点から見ていきましょう。下の写真を見てください。少し大げさですがこれが踵から着地をする時に起こっていることです。
注目するべき点は主に二つあります。まず一つ目は踵からの着地です。これは先ほども話したように怪我や障害の原因となります。
二つ目は着地位置です。着地地点が身体の重心位置の前方にあることが分かると思います。これによりランニング効率が低下してしまいます。
この絵のような姿勢になって前後どちらの方へ体が倒れるか試してみてください。そうです。後ろに倒れていってしまうのです。
走っている最中は勢いがついているため、そして後ろ足で地面を蹴ることができるため、結果的には前に進んではいますが、かなりの力を後方へと逃してしまっています。
この走り方は『空気の抜けたタイヤ』に例えることができます。
絵のようにパンクしたタイヤが前に進むためには、青い点の重心位置をどうにかして緑で示した支持基底の先端まで持って行かなければなりません。それに余計なエネルギーを費やすため車ですと燃費が悪くなるし、自転車ですとペダルが重くなり、ペダルをこぐのが大変になるのです。
次に下の写真を見てください。これが『自然で安全な走り方』です。
同様に注目すべき点を見ていきましょう。まずは着地です。足の前方または前中部での着地となりました。これにより、着地の衝撃を足腰の関節で十分に吸収できるようになりました。
そして、着地位置が重心位置の真下になりました。これにより前に傾きを加えれば、後ろ足で蹴ることなく自然と前へと進んでいくことができるようになりました。
これは『空気の入ったタイヤ』に例えることができます。
青色い点のタイヤの重心位置と緑の支持基底の先端が重なっているため、少しの力で前に進むことができ、後方へ引く力も存在しないため継続的に力を前方へと向けることができます。これが車であれば燃費は良くなりますし、自転車でしたらこぐのも楽になり、スピードも出るようになります。
まとめ:
怪我のリスクが高く不効率なランニング法
- 足の踵からの着地
- 身体の重心位置より前方での着地
自然で安全な効率の良いランニング法
- 足の中前部から前部での着地
- 身体の重心位置の真下での着地
この効率の良い走り方にどこかに物理法則に反する点はありますか?
そうです。『ない』のです。
このような走り方を学ぶことで、老若男女問わず、その目的が競技、ダイエット、趣味など何であろうが、人間であるのならすべての方が、効率的に安全に『走る』という動作をすることができるのです。
ルネサンス期の巨匠、レオナルド・ダビンチはかつて言いました。
『人間の足とは自然が作った最も洗練された芸術作品である。』っと...
その芸術品にあたかも欠陥があるかのように、様々な機能を取り揃えたハイテクのライニングシューズで覆うことは、人間の足を何万年もの時を費やし作り上げた自然への侮辱とも言えるのではないでしょうか?
身体がすべき正しい走り方さえできれば、怪我などすることはなく、効果で目新しいスニーカーを買う必要はないのです。
チーターにランニングシューズが必要ないように...
『え!?』じゃあ何で靴の会社は、あんなにもたくさんの機能とデザインの靴を毎年毎年発売してるの...って?
それは目新しいものを次々と作らないと飽きられて誰も買わなくなるからです。売って利益をあげるためです。満たされることのない、私たちの物欲を満たすためです。
あたかも物欲を満たすことが解決へと、幸せへと導いてくれるかの如く...
ビフォー&アフター
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