コーチOTOYAのブログ

私は食事法と運動を通じて皆さまにマインドフルネスを教えています。あなたが運動をする目的が「体重の減らすこと」「健康になること」「アスリートとして強くなること」または単に「より良い人間」になること...それが何であろうが、永続的な変化をもたらすには、あなたのマインドセットがまず変わらなくてならないのです。それを伝える手段が私にとっては運動であり、食事法なのです。

クロスフィットを理解する㊃【様々とランダムは違うの?!】

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クロスフィットを始めた多くの方は、その日のワークアウトが何か知らずにジムに行くことにドキドキ感を覚えたと思います。

 

そして、毎回クラスに参加する度に新しい動作を学び、ワークアウトでは毎回自分自身に挑戦し精神的、筋力的に驚くほど向上し、とても楽しくてたまらない時期を経験することでしょう。

 

しかし、進歩を継続的なものとしていくために、明確に理解されなければならないことがあります。

 

それは「様々な」と「ランダム(無作為)」は違うということです。

 

綿密に考えられた意図的な「様々」なワークアウトとは一見、無造作に動作を組み合わせているように見えますが、実は以下の3つ要素にすべてに刺激を与え、改善向上するためにプログラムされてるのです。

 

A. 筋力の改善向上:
B. 動作の習得、改善向上 
C. 3つのエネルギー代謝経路の改善向上

 

A. 筋力の改善向上:
クロスフィットの目指すフィットネスを獲得するためには、誰もが筋力トレーニングをする必要があります。

 

この必要性とは、単にワークアウトの中の動作に低〜中負荷のデッドリフト、ケトルベル・スウィングなどを取り入れ、他の自重動作(ランニング、バーピーなど) と共にタイムを競って行なうという程度ではありません。

 

それは、筋力トレーニングのみとして行なわなければ上げることができないほどの高負荷を扱う日を設けなければならないということです。(一般的にクロスフィットではこの日を『重い日』と呼びます。) もちろん、その負荷はその人にとって高負荷であり、すべての人が同じ負荷を使う訳ではありません。

 

B. 動作習得、改善向上:
あなたが自分自身に挑戦し、より重い負荷のウェイトを安全に効率良く挙げるためには、巧みな技術が要求されます。そして、技術の向上に終わりはありません。挙上負荷が上がればそれにともない、さらに高い技術が要求されるのです。

 

しかし、この重要性はクロスフィットの「時間を競う」というゲーム的要素にかき消されてしまい、ワークアウトの最中に動作をしっかりと確認し、改善することは多くの場合なされることがありません。

 

そのため何が必要になるかと言うと、クラス内のワークアウトの前後、または自由に施設が使えるオープンジムなどの時間帯を利用してのコーチによる的確な動作確認、そして指導による改善です。

 

技術を確実に向上させる続けるためには、動作のみに集中し、じっくりと練習する時間が必ず必要になります。

 

C. 3つのエネルギー代謝経路の改善向上:
人間の身体がエネルギーをつくり出すシステムは、主に無酸素域経路(Phosphagen)、解糖経路(Glycolytic)、有酸素域経路(Oxidative)の3つに分けることができます。

 

無酸素経路とは、100mダッシュ、1回限界負荷でのクリーン、デッドリフトなどの短時間でとても大きなエネルギーを必要とする動作を行う上で優位に働きます。

 

解糖経路とは、クロスフィットのワークアウトで言うと”フラン”、”グレース”などの無酸素経路の運動と比較すると比較的長時間で、全力の一つ手前のエネルギーが要求される動作を行う上で主に働きます。

 

有酸素経路とは、”マーフ”に代表されるクロスフィットのヒーロー・ワークアウトなどの20分以で比較的低いエネルギーを要する動作を行う上で優位に働きます。

 

これらすべての代謝経路に刺激を与えることは、クロスフィットの目指すフィットネスを獲得する上でとても重要です。

 

同じウェイトリフティングでも1回限界負荷のデッドリフト(無酸素経路)をするのと、中負荷で30回クリーン&ジャーク(解糖経路)をするのと、更に小さい負荷でスモウデッドリフトハイプルを20分間以上(有酸素経路)するのでは、身体に与える刺激が違うのは皆さんお分かりだと思います。


クロスフィットのプログラムは、これらすべての要素を改善向上できるように、綿密に作られているのです。このようなことは『ランダム』なプログラムには達成し得ることはできません。

 

「ランダムに組み合わせてつくられた日替わりワークアウト」と表現されがちなクロスフィットのプログラムですが、このような意図的な努力が裏でなされているのです。